EtlanZ
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「月刊ピアノ」インタビュー掲載原文

プロフィール

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ハンドルネーム「えくす」氏。
ファミコンなど“昔のゲームの曲を原曲の雰囲気はそのままに、現代の音でアレンジ”をコンセプトに2002年5月にデビュー。
これまでに約400曲をアレンジ。公式CDは13枚(※インタビュー当時)。
秋葉原の同人音楽CDのコーナーはもちろん、コミックマーケットや自身のサイトでも販売する。

※プロフィールの写真は、私の顔から下の写真が載る予定でしたが、さすがにそれは気が引けましたので(笑) ここでは割愛しました。

「初めて買った同人音楽CDが“EtlanZ”の作品でした」という方もよくいらっしゃるんですよ。

私が初めて同人音楽を知ったのは、大学に入学する直前のことでした。
ある日、友人に「アマチュアの人が集まって昔のゲームの音楽をアレンジして発売しているイベントがある」と教えてもらったときは、本当に感動しましたね。ゲームは子どもの頃から大好きでしたから。

当時は3~4音で作られていたメロディですが、「このシーンはこの曲ナシには語れない!」と感じることも珍しくない。
でも、メーカーはサントラを(当時は)ほとんど出してませんでしたし、ゲーム好きの友人でも、残念ながら音楽までは興味を持ってない。これがすごく悔しくて。自分が少し変なのかな(笑)なんて感じたこともありました。

それから、「いつの日か自分がゲーム音楽を1枚にまとめて、この素晴らしさを広めたい」 という夢を持つようになったんですね。

活動の中で特に重点を置いているのは、「誰にでも抵抗なく手に取れるCD」

たとえば女性はジャケがハードだと引いてしまいますよね。でも私は同人CDを知らない、本来コミケなどのイベントに行かない人にも聴いてもらいたいんです。ゲーム・ミュージックにとって大事なのは、やはり“懐かしさ”ですから。

自分もそうですが、聴くとプレイしていた当時の思い出がよみがえる。
子どもの頃の友だちの笑顔や、家族の表情。童心に返って「また明日から頑張るぞ」と思ってくれたら本当に嬉しい。

そういう今までのサークルができなかったものを作り上げたい。だから初心を忘れないように「EtlanZ=異邦人」と名付けました。

制作したCDの一部

(写真1)えくす氏がこれまでに制作したCDの一部。
聴いてみると、ゲームをしたことないのになぜかノスタルジックに。

制作環境の一部

(写真2)音楽を制作している環境。
1音1音、拾った音をパソコンに入力。少しずつ曲を形づくる。作業に根気が必要だ。

資料の一部

(写真3)アレンジ用の資料として集めているCD。
写真だけでも約1000枚近くあるがそれも手持ちのほんの一部だという。

メーカーがサントラCDを発売してくれなかったのが悔しかったのです

―どういったきっかけで、同人音楽をやるようになったのか?

私が初めで「同人」と言うものの存在を知ったのは、今から6~7年くらい前の、確か大学に入る直前のことでした。

今では大分風潮も変わってきましたが、昔のゲーム音楽と言うのはジャンルとしては正直まだまだ弱くて、メーカーの公式でも中々オリジナルのサウンドトラックが発売されなかった事が多かったんですよね。

私は、それこそ小学生の頃からゲームを遊んだ育った人間でして、ゲーム音楽との付き合いは、もう20年近くにもなります。

たった3~4音の、今から考えれば音色としてもチープなものなんですが、それが、ゲームの臨場感を何倍にも膨らませる演出を果たしていたんですね。中にはこのシーンはこの曲ナシには語れない!……と感じたものもあった位で…。音楽の素晴らしさを、また違った直面から教わった感じだったんです。

だからこそ、メーカーがサントラCDを発売してくれなかったのが、すごく悔しかったんですね。こんなに素晴らしいものなのに、どうしてCDを出さないんだろう、って。ですから、自分でゲーム機から直接テープに録音したりして、毎日聴いていた時期もあったくらいなんですよ。

ゲーム好きな方がいても、ゲーム音楽そのものについて語り合える友人は当時中々いなかったので、もしかしたら、自分以外にゲーム音楽に興味がある人っていないのかな?……とさえ思っていたんです(笑)
ですから、いつの日かこれを一枚のCDにまとめて、この素晴らしさをもっと皆に広めたい!って、子供ながらに考えていたんですね。

そこで、ある日友人に「アマチュアの人たちが集まって、昔のゲームの音楽とかをアレンジして発売してるイベントがあるよ」と教えてもらいまして。もう、喜び勇んで遊びに行ったんですよ!
この当時は、まだテープとかMDでの発売が主流だったんですが、なにより、こんなにゲーム音楽を好きな人たちが居てくれたんだ!と言う事が、本当に嬉しかったんです。

今までに無いものを作りたいという気持ちから、『EtlanZ=異邦者』の名前をつけました

それから3年ほど経ちまして、私も無事に就職が決まり、それなりに時間が取れる様に為ってきました。

ただ、この当時の同人音楽の世界は、パソコンの「美少女ゲーム」「恋愛ゲーム」と呼ばれるジャンルの全盛期でして、正直自分が求めているような、例えば昔のRPGやアクションゲームのアレンジは、かなり見掛けなくなっていたんですね。

この時は、「自分がリクエストした曲をアレンジしてくれる、サークルさんがあればなぁ…」と思ってましたね。
でもやっぱり、業界全体のブームの影響もあってか、なかなか自分好みの選曲をされているサークルさんを見付けるのは難しかった。

それで、「もう誰もやってくれないなら、自分がやるしかない!!」と思いまして。
この頃になると、技術の進歩もあって、個人レベルでもCDを製作することが難しくなくなって来ましたし、これは兼ねてからの夢を実行に移す、最善の機会だろう、って思ったんですね。

で、どうせやるなら、今までのどのサークルも出来なかった事をどんどん取り入れようと思いまして。
そこで私が考えたのが、かねてからの自分の理想、

「自分のリクエストを聞いてくれるサークル」
「超ボリュームのCD」
「原曲のイメージをや雰囲気を残した、懐かしめるもの」
「誰にでも抵抗無く手に取りやすいように、ジャケットにイラストは一切使わない」

この4点を取り入れようと思ったんです。

で、CDの選曲自体も、周囲の流行を意識せず、本当に自分がやりたいもの、今までになかなか無かった「レトロゲーム」中心で行くぞ!…と。
こう言うやり方は、業界の風潮からは孤立しちゃうかもしれないけど、今までにないものを作り上げたい……と言う気持ちから初心を忘れるよう
『EtlanZ=異邦者』の名前を敢えてつけまして、2002年の5月に同人音楽サークルとしてデビューさせていただいたんです。

ゲームミュージックにとって一番大事なものは"懐かしさ"だと思います

―ゲームの音楽をアレンジをする楽しさとは?

アレンジをしていて一番楽しく感じるのは、例えば昔のファミコンの音楽のように、まだ音色の出来上がっていないものを、あれこれ頭の中で試行錯誤しながら、自分の好みの形に組み上げる時ですね。

例えば、この部分はピアノ、この部分はストリングスで、ここはギターで組み立ててみようかな……と言った感じで。さぁ、どんな風に出来上がるのかと。ある意味、料理の楽しさに繋がるものがあるかもしれません(笑)

古いゲームの曲であればあるほど、自分が弄れる部分が多いですし、それだけに完成が楽しみになりますね。

また、私が「どういうアレンジをしているか?」についてご説明致しますと、私のスタイルは、「昔のゲームの曲を、原曲の雰囲気はそのままに、現代の音質でアレンジをする」にあるんですね。

例えば、ファミコンの原曲が4音だとしたら、今風に16音程度にアレンジはするけど、でも聴いた瞬間に「あッ、これはあのゲームの曲だ!」って判るようなスタイルですね。一応、自分為りのアレンジや音色の使い方はするけれど、原曲の雰囲気はキッチリ残す!をポリシーとしています。

これに拘る理由としては、私自身が
「ゲームミュ-ジックに取って一番大事なものは、懐かしさではないか?」
と考えているからなんですね。

前にもお話した通り、ゲーム音楽と言うのは不思議なものでその曲を聴いているだけで、プレイしていた当時の思い出が自然と蘇るんですね。
例えば私でしたら、
「あの頃は、ゲームは一日一時間しかやれなくて、親に隠れてやってたよなぁ」
「小学校が終わると、みんなで家に集まってゲーム大会してたっけかなぁ」
とかですね。

お誕生日やクリスマスのプレゼントでゲームを買ってもらって、それを思い出す、と言う方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。

原曲の素晴らしさを、名曲や名作の懐かしさと思い出を通じて伝えていきたい

音楽を聴く事で、いつでもあの頃に帰れる……。そんな感動が、ゲームミュージックには有ると思うんですよ。私達位の世代ですと、ほとんどの方が子供の頃にファミコン(ゲーム)を経験していると思うんで、それがほんの日常の何気ない時に話題になることもあると思うんですよね。ですから、昔ゲームを一緒に遊んだご家族の方やご友人と、ワイワイ楽しんでいただきたいな、と。

その為に、個人的には、普段秋葉原の同人系のショップや、コミケなどのイベントにも行かれない一般の方にも、広く懐かしめるCDを作りたい、と言うのもあるんです。

このCDを聴いて居る時くらいは、せめて童心に帰って頂きまして(笑)存分に笑ったり、懐かしんだりしんだりしてほしいな、と。それで、「また明日から頑張るぞー」的な気分になって頂けたのなら、これほど嬉しい事もないですね。

また、こうしたアレンジや活動の先にある楽しみとしては、これ(アレンジ)を通じて、「原作の素晴らしさを伝えたい」というのがあるんです。

あくまで一番素晴らしいのは原曲であり、それを作曲された方ですから。私はファン活動の一環として、その恩恵をお借りしているだけですので、「この曲いいな」と感じていただけたなら、是非原作を買ってプレイして貰いたいなぁ~と思います。で、後日私と語りましょうよ、と(笑)

「いつの時代になっても自分の作品が愛されている」と言う事は、やっぱりクリエイターの方にとって、一番嬉しいことだと思いますので。

たとえ時代が変わっても、名曲や名作はいつまでも心に残るもの。
懐かしさや想い出を通じて、それをほんの少しでも伝えられるアレンジでありたい、、、
そんな活動をして行きたい、と思ってます。

※以上の文章の内、一部が掲載に使われました。このHP上では許諾の元、全文の掲載をしております。

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